到着でしょう。
茗荷谷駅から歩いて5分ちょいくらいかな。
シンプルながら雰囲気溢れる店構えでしょう。
薄暗くてやってるのか不安になるでしょう。
窓の右隅にOPENの表示があるので思い切って入りましょう。
ちなみにメニューでしょう。
パスタ食べずにワインだけはお断りなのでしょうおそらく。
まずは着席前に強面な店主に聞かれるでしょう。
「パスタですか」
はい! と答えましょう。
「うちのパスタは具がないけれど良いですか」
と聞かれたら、はい! 大丈夫です! と元気に答えましょう。
先客はご夫婦らしきひと組のみ。
奥さんらしきひとがパスタを食べていて、夫さんらしきひとは何も食べていないでしょう。
このあと夫さんのパスタが給されるのを目撃するのですが、つまり2人で来店しても一人前ずつ調理して給すシステムなのでしょう。
そのこだわりがすごい、そしてこだわり過ぎて客商売向いていないでしょう。
先客夫さんのパスタが出たお手隙のタイミングでワインを頼みましょう。
「赤にしますか、白にしますか」
と聞かれたら、自分に正直に、素直に答えましょう。
メニューにキャッシュオンなんちゃらと明記されていたので、そのことを問うと
「大丈夫です、それは嫌な客が来た時に金払えってやるためのやつです」
と意味がよく分からないけれどなんだか清々しく感じる受け応え、僕は好きです(告白)。
ワインのことはよく分かりませんが、給された白は控えめな甘みがありながら微炭酸で後味すっきり、飲みやすくて美味しいでしょう。
でしょう。
オリーブオイルとパルメザンと黒胡椒のみというこだわりでしょう。
平打ちの麺はちょっと食べたことないほどの薄さだったので店主にそう伝えると、麺に関することやおすすめの他店舗のことなど、意外にも気さくにお話しして頂けるでしょう。
店主のこだわりの全てを理解するにはあまりにも浅学にして菲才な身ではありますが、これは確かにおかわりしたいほどに美味しいでしょう。
「お客さんは席に座ってしまうと食べずに帰り辛くなってしまうので、お客さんが座る前に帰る口実を2つ提示するんです。うちのパスタには具がないということと、店主の愛想が悪いということ。
今日は3組み食べずに帰りました。それぐらいがちょうど良いんです」
ちょうど良いの意味はよく分かりませんが、その変な偏屈さ、僕は好きです(告白)。
店主が気を遣ってお話ししてくれる優しさを感じたので、もうちょっと長居したい気持ちもあったのだけれど、初来店で僕も人見知り全開なので、今日はサクッと帰りましょう。
ご馳走様でしょうでした。
上手く言えないけれど、武士だな、と思ったでしょう。
茗荷谷駅へ戻る途中に、行きに気になった公園へ寄り道しましょう。
近づいたらユニコーンだったでしょう。
そしてなによりこれ、でしょう。
なんだこれ素敵すぎる。
魚の頭の上にでしょう。
なんだこれ素敵すぎる。